個人所得税(PIT)累進課税制度、社会保険・健康保険・失業保険、労働組合

個人所得税(PIT)とベトナムの累進課税について

社員の給与計算やたまに自分の給与計算のため、何度も検索するベトナムの個人所得税。
下記ページがわかりやすいです。
ベトナムの個人所得税|中小国際化支援レポート

まず、居住者か居住者でないか。

居住者の定義。「連続する12ヶ月でベトナム国内に183日以上滞在」かつ「ベトナム国内に定常的な居所を有するもの」
それ以外は非居住者です。

居住者の納税額は後述の累進課税制度に依る。
非居住者は一律20%で、ベトナム国内で収入の発生した場合に納税義務が発生するのだと思いますが、よくわかりません。
例えば日本人インターンのアルバイト契約やなんかでも、20%の納税義務があるのだと思います。

累進課税制度について

基礎控除が9.000.000 VND です。
自分の1か月の収入から基礎控除を引いた金額が「課税所得」。
その課税所得に応じて税率が決定するのが累進課税制度です。

  • 5.000.000 以下:5%
  • 5.000.001 以上 10.000.000 以下: 10% – 250.000 VND
  • 10.000.001 以上 18.000.000 以下: 15% – 750.000 VND
  • 18.000.001 以上 32.000.000 以下: 20% – 1.650.000 VND
  • 32.000.001 以上 52.000.000 以下: 25% – 3.250.000 VND
  • 52.000.001 以上 80.000.000 以下: 30% – 5.850.000 VND
  • 80.000.001 以上: 35% – 9.850.000 VND

最後の税率から引いているのは、課税所得に応じた最終的な控除計算です。
仮に20.000.000 VND が月の収入だとしたら、
収入:20.000.000 VND – 基礎控除:9.000.000 VND = 課税所得:11.000.000 VND
課税所得:11.000.000 VND x 10% – 250.000 VND = 850.000 VND
が最終的な個人所得税になります。

ちなみに、以前、日本の累進課税で計算し以前比べたことがあるのですが、結局支払う税金に大きな差はなかったような記憶があります。

個人所得税(PIT)の計算はシンプルなので、エクセルシートとかで計算式を作って自分の給与を計算してみるとおもしろいです。
社会保険料も税率が決まっているので、簡単に計算できるので、給与計算だけ、が仕事であれば、自分ひとりで作れます。
入金処理だとか有給だとかの細かい事務作業も必要になってくると、実際に自分だけではなかなか難しいですが。

[日系企業] ベトナムの日本人駐在員の税務リスク 個人所得税

5)短期出張者も税務リスクの対象
例えば親子会社間の業務委託契約の遂行の為に短期間ベトナムに出張する出張者(例:1ヶ月未満の現地技術指導)でも課税対象になる。
しかし、出張者の所得税の申告・納税はよく忘れられる。また、出張期間があまりに短い場合、申告・納税には手間が掛かるので、納税しないケースも多く見受けられる。

ベトナムの社会保険について

ベトナムの社会保険等については下記がわかりやすいです。
ベトナムの労働法(社会保険・健康保険)| ベトナムで人事労務コンサル アイコニック

社会保険・健康保険・失業保険の合計で、会社負担は22%、本人負担は10.5%。
ちなみに、社会保険ではありませんが、ベトナムには労働組合費みたいなものがあり、国のルール上、労働組合があってもなくても、会社は組合費を負担しなければなりません。
それが2%なので、会社負担の社会保険等は24%ということになります。
ベトナム人の労働組合|内部記事

ちなみに基本的に各種保険は外国人は入れません。
ホーチミン市のみ、外国人であっても従業員は健康保険に入る必要があるようです。(経営者は不要)

重要なのは、各種保険料は基本給与がベースとなる、ということです。
なので、基本給与を極端に下げ、手当て(allowance)でまかなう企業もあります。
上記リンク先より、

ベトナムのローカル企業では、9割近くが手当・・・という話も聞きますが、日系企業では基本給:手当の割合は、8:2もしくは7:3が相場です。このこともベトナム人スタッフにとって日系企業を志望する理由
のひとつとなっているようです。

しかし、たとえば子どもが産まれれば国から出産給付金が下りますが、産休期間6か月は基本給と同額を受け取る制度になっているので受け取る側にとっては大きな問題です。

ベトナムの労働組合について

ベトナムの労働組合、当初よくわかりませんでしたが、結局つくりました。
特に作業の危険性もないホワイトカラー業種ならば、実質デメリットはあまり考えられず、メリットの方が大きいからです。

ルール上、労働組合があってもなくても、企業は基本給の2%を労働組合を統括する組織におさめなければなりません。
ちょっと謎のルールではありますが…。
ちなみに個人負担(1%)については、労働組合がなければ不要なようです。

であれば、ルールへの理不尽は感じるものの、そのルールにのっとれば企業側に労働組合を作るコスト的なデメリットはない。

あとはメリットの部分。
その国に支払っている2%は国のルールによるものなので、企業にとって妥当なコストとして損金算入できます。
そして、企業負担・本人負担で上納した組合費のうち65%が、組合活動費として自社の労働組合に返ってきます。
その組合活動費は、労働組合の活動に必要な予算に当てることができます。

つまり、企業のコストに算入しにくい活動費、いわゆる福利厚生系の予算を労働組合費でまかなうことで、実質的な企業活動の損金として扱うことができます。
ただ、もちろん何にでも使っていいお金ではなく、何に使ったかの会計レポートを労働組合から上位組織にあげないとならないので、いろいろと調整は必要です。

なお、予算の使い方について。
会社の指示で予算を決めるのではなく、労働組合側メンバーと良好な関係を築きながら、組合活動費の使い方を模索していくのがいいと思います。
社員数の多い会社では大ごとですが、数十人レベルでは大した金額になりません。
社員が予算の使い方を覚えていくトレーニングと考えるのもいいかもしれません。
会社の100%コントロール下におくと、結果的に使いみちは同じでも、「組合の予算なのに」と不要な不満を育てる危険もあるでしょうから、「2%の出資者」として管理監督する程度がよいと思うのが個人の意見です。

ほかのメリットとしては、労働組合があると労働者にとって「良い会社」に見える場合もあり、採用のPRポイントの一つになる程度でしょうか。
もちろん、極めて大きなPR ポイントではないので、数あるPR の一つというだけです。

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